未経験からI T営業として入社した場合の研修カリキュラムを外部コンサルと検討してみた
実際にウォンテッドリーなどを通して営業メンバーの採用活動を行なうなかで、経験者の方にはもちろん積極的にエントリーいただきたいのですが、営業未経験の方でも安心してチャレンジしてもらうにはどうしたら良いか。
ということで今回は、当社の採用を支援してくれている外部の方と“未経験からIT営業として入社したメンバーを育成するための研修カリキュラムについて話し合ってみました。
営業についての具体的な仕事内容や求められる役割などは、(営業採用に向けて。営業に期待する役割とは)の記事でもご紹介していますので、あわせてご覧いただけると嬉しいです!
目 次
Table Of Contents
まず、当社で営業になるには?の必要な要件を確認
外部:まずはじめに、営業としての要件を確認していきましょうか。たとえばコミュニケーション能力が必要だということなら、こういった理由で、こういう場面で必要だよねといった情報をまとめていけるといいなと思います。
浦野:それこそコミュニケーション能力は必要です。交渉にしても提案にしても、業務の大半において会話が必要ですからね。それと数字を管理することも求められると思います。どうやったら利益が出るのか、どうしたら数字の見通しが立てられるのかといった数字力が必要じゃないですか?
外部:もちろん必要ですよね。現在の数字の動きをしっかり把握していたり、残りの必要数がどのくらいかなどの進捗状況も意識していないといけませんから。ほかにはどうですか?
浦野:スケジュール管理も必要ですね。自身のタスクや優先度をしっかりと組み立てていくことが大事かと。それと、これはIT業界だからこそ“より必要”だと思うのが情報管理力。
さまざまな同業他社の営業の方と案件情報の連絡や共有を行なうため、各案件がどういう状況なのかを把握していなくてはなりません。たとえばこの案件が「いつまでの募集」で「どんな人を求めているのか」、「現在どの程度まで動いているのか」などをリアルタイムに管理する力が求められます。同時に人のことも把握しておかないといけませんしね。
自社メンバーの技術力や人柄をしっかり把握していて、誰がどこでどういう案件に参画しており、今現在の状況がどうなのかを熟知している必要があります。
外部:そうですね。あらゆる情報を常にアップデートし続けていかないといけない仕事ですからね。
浦野:はい。特に案件ベースでいくと、案件内容をリストアップして状況などの詳細も常に最新にしておかないといけないです。今は私自身がエクセルなどで管理しています。
外部:たとえばCRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)を導入検討する余地はいかがですか?
浦野:CRMか〜そうですね。検討の余地ありです。
外部:CRMを使ってスモールスタートするのならHubSpotやZoho CRMあたりがおすすめです。機能面もおおよそやりたいことはできますし、きちんと管理できて社内での可視化もできます。
もちろん使用にあたってカスタマイズ設定する必要があったり、エンタープライズプランなどでない限り機能制限はありますが、スモールスタートという意味では特に問題ないと思いますよ。
浦野:なら選定を含めて検討していこうかな。こうした情報管理やスケジュール各種管理をしていくなかで、欠かせないのは外部(お客様やビジネスパートナー)に対するホウレンソウです。社内に対するホウレンソウの重要性はいうまでもないのですが笑
外部:そうですね。結局ホウレンソウが漏れてしまっていたら、いくら管理の徹底をしていても意味ないですからね。
浦野:そうなんです。だからホウレンソウが受け身の人では難しいので、自分から発信してアウトプットしていける人だといいですね。大局的に見たときにこの部分は必須だと感じます。
外部:IT知識や営業スキルは後からでも身につきますから、やはりこうしたビジネスパーソンとしての基礎基本の部分が重要ですよね。
研修カリキュラムについて考えてみる
外部:これらを踏まえて、営業未経験の方に向けた研修カリキュラムをどう組み立てようかの話なのですが、たとえばビジネスマナー研修が必要かどうかはいかがですか?
浦野:新卒の方へはもちろん実施しますが、中途でも営業未経験の方なら名刺交換や訪問マナーなどは実施する方向で考えています。
外部:ビーピーオークリエイトの看板を背負って稼働するわけだから必要ですよね。本来行なう必要がないとしても確認のために実施するほうが望ましいでしょうね。
それと、私が行なったほうがいいだろうと考える研修は情報の取扱いやセキュリティ面のこと。リスクマネジメントなどを研修に盛り込んだほうがいいのではないかと思います。
浦野:たしかにそうですね。新人エンジニアの研修ではITセキュリティ研修を実施していますので、営業でも同じ研修を実施していこうと思いました。
外部:既存研修を流用するなら現行のスケジュール感で運用できますもんね。あとは現状で御社に必要な研修カリキュラムとなると、やはり営業研修だと思います。
浦野:そうですね。もちろん営業研修は必要ですし実施していきたいですね。
外部:営業研修ですとテレアポ、ヒアリング、提案、顧客のフォローアップ、企画書作成、見込み客や顧客の管理などさまざまですが、浦野さんは営業研修としてどんなことを組み込みたいなどのイメージってありますか?
浦野:漠然とした感じですが、テレアポや訪問時の対応などを想定しています。
外部:たとえば先ほど話にあったITセキュリティ研修や業界研修も実施する中で、営業研修とは別にITナレッジを伝えていけるような枠組みは必要かなと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか?
浦野:まさにおっしゃるとおり。そういうものは必要だなと思いました!
外部:現在はまだ自社内に営業専属メンバーがいないし、エンジニアの皆さんでは営業の方を教えていくことが難しい。という場合でも、営業ロープレを上手に実施していくことでナレッジの暗黙知を展開していくことができるはずです。浦野さんと大橋さん(専務)はベテランエンジニアとして現場を知り尽くしているので、営業を育てるための材料をしっかりフィードバックできると思うんですよ。
浦野:たしかに。それなら私たちに営業ノウハウがなくても可能ですね。
外部:ロープレで行なううえで、あらかじめ詳細部分までケースを設計しておき、そのケースをもってロープレを実施していくことで的を得たケーススタディができます。営業を育成していくうえで、AさんはうまくいったけどBさんはうまくいかなかった。という属人的で薄っぺらいロープレ研修にならないようにケース準備をし、どう評価をするかの定義づけを行なって明確なチェックシートをもとに運用していくことで、定量的な分析とフィードバックにつなげていけるはずです。
浦野:それはいいですね。聞いていて「なるほどな〜」と思ったんですが、同業他社で営業が入社したときにそのレベルで教育している会社ってありますか?
外部:いえ、正直いうとこのレベル感でやっている会社は少ないですし、正確にいうとやれない、やり方を知らないという会社が多いです。ですが、座学研修や何となくのロープレ、e-learningなどでひたすら「営業ってこうだよ」って教えるよりも、はるかにナレッジを展開しやすく本人の気づきにもなると思います。
浦野:たしかに、私たちならケースを組む上での実例はいくらでも出せますからね。
外部:そうなんです。それと多くの営業会社で行なっているのがロープレの録画です。
浦野:動画を撮るんですか?
外部:おっしゃる通りです。自分を客観的な視点でモニタリングするためのものです。姿勢、表情、声のトーン、態度、雰囲気、間の取り方、切り返しなど、自身の言動を見返すための大切なプロセスとして行なっていくといいです。あとは育成のスケジュール感をどう組み立てるかですね。
浦野:座学系の各種研修を行なったあとは、テレアポやお客様先の同行などを行ないつつ、並行してロープレ研修を実施していきつつ。と考えています。
外部:たとえば、ロープレトレーニング期間としてあらかじめ実施コマ数を設定しておいてもいいと思います。実務を覚えてもらいながらカリキュラム化されたコマを実施していく感じですね。
独り立ちまでの想定期間はどうですか?3ヶ月?半年ぐらいですか?
浦野:独り立ちまでの希望はそうですね、3ヶ月〜半年くらいと想定しています。徐々にひとりで動けるようになっていくはずですし、そうなってからは基本的にOJTベースに移していこうかなと。
外部:では、ひとつの目安としては半年で独り立ちという感じですね。
浦野:そうですね。とはいえ、独り立ち後であっても当社で働いている以上ずっとフォローしていきますけどね!(笑)
・・・・