DXへの注目と必要性の高まりがプライム案件の増加に
経済産業省が謳いはじめ、いまや聞かない日がないといってもいいDX。それまでIT化に対し及び腰だった企業も既存システムの見直しを行いはじめています。このような社会のトレンドは、システム開発を得意とする当社への追い風となり、クライアントからの依頼は顕著に増加しています。そこで今回は、当社に依頼があったDXの事例について記事にしていこうと思います。担当したのはITソリューション部GL所属エンジニアの2人。
この2人がバディとしてどのように同プロジェクトを推進していったのかを聞いていきます。案件の一例ではありますが興味のある方はご一読ください。
目 次
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本プロジェクト発足の経緯について
今回の案件はどのような経緯で依頼があったのですか?
A:お客さまは訪問医療を行っている医療法人様です。国からの補助金や助成金を利用してDX化を推進したいと、当グループの会長を通じて相談がありました。
困っていることは医師の訪問先の振り分けで、理事長が1人で行なっているとのことでした。理事長は医師全員のスキルを把握しているため、適材適所の振り分けができるのですが、問題はこれができるのが理事長本人のみ。この業務に時間を取られてほかの業務ができないということでした。
医療現場での属人化された仕事をDXで解決
属人的なやり方が問題を招いたのですね?
A:はい。ですから、理事長以外の人でも医師の振り分けができるようになることがゴールでした。それでわたしと、当時2年目だったBさんの2人でチームをつくり、この課題に取り組むこととなったわけです。
B:わたしは当時、まだ教育の最中だったのですが、「次のステップに進むため」ということで、このプロジェクトに参画させてもらいました。
ちなみに最近はこういった依頼は多いのですか?
A:この依頼があったのは2年くらい前の話ですが、補助金などの優遇制度もあり最近はこういったプライム案件が増えていますね。特に愛知県は製造業が盛んなため、試作品開発や生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する「ものづくり補助金」などを有効に利用できる会社が多いですからね。
具体的な開発内容について
仕事はどのように進めていったのですか?
A:わたし自身もこれまでお客様先に常駐してPGとして業務を行なっていたので、上流からすべてを担当するのは初めてでしたが、入念にヒアリングを実施していき、理事長に作業の内容や流れについて事細かに話をしてもらい、どこをITに置き換えられるのかを考えました。
B:医療機関の業務をシステム化するということで、最初は漠然と「難しそう」と思っていたのですが、そこまで専門用語の理解などは必要ありませんでした。一般的な企業にも応用できるような汎用性の高いもので、自分のスキルを使ってつくれるシステムの少し上といった感じでしょうか。Aさんのサポートがあれば、そこまで大変ではなかったと記憶しています。
具体的にどのようなことができるシステムなのですか?
A:スマホやタブレットで操作できるアプリなのですが、医師の現在地を地図で表示できるほか、患者さまの容態なども分かるようにしました。主にわたしとBさんで取り組んだプロジェクトですが、最終的には5人くらいのメンバーが携わった仕事になりましたね。
マンガ製作で学んだ知識やスキルを活かしたUI開発
開発で困ったことはありませんでしたか?
A:そうですね。仕組み自体はそこまで複雑なものではなかったので。ただ、UIは困りましたね。わたしはデザイン的センスと知識がないので……。だから、そこはマンガを描くのが趣味のBにほぼ任せました。
B:わたしも操作画面のデザインの経験はないので自信はなかったのですが、興味のある仕事ではあったので、任されたことは嬉しかったですね。当時は専用ソフト等を使わずエクセルでモックアップをつくっていたのですが、お客さまに見せたら「いいね」と気に入ってもらえたので正直ほっとしました。
マンガ製作のスキルや知識は役立ちましたか?
B:実はそうなんです。配色によって人が抱く感情や、人の視線の動きを踏まえたレイアウトの組み方などについて勉強していたので、そういうのは大いに役立ちましたね。
ちなみにいまはfigma(https://www.figma.com/ja/)というインターフェースデザインツールを使っていて、よりU Iを意識した質の高いものがお見せできるようになっています。
運用後のお客さまの声
お客さまの反応はどうでした?
A:よかったです。開発から運用開始までの期間は約半年くらいだったのですが、月2回くらいのペースでお客さまと打ち合わせを行って、機能面やデザイン面のすり合わせを何度も行いましたし、テストもかなり入念にしました。現時点でリリースから1年半くらいになるのですが、バグやエラーはほぼありません。改善ができてよかったと、使う方々がとても喜ばれていたと聞いています。
B:お客さまからの反応が上々だったのも嬉しいのですが、わたしとしてはデザインの仕事を担当させてもらったことが一番大きかったです。今後もいろんな案件に携わって、新しいスキルや知識を身に付けていきたいですね。
…二人ともありがとうございました!